2019年07月09日

マミーベリーにはカリグリーンがベストな理由とその結果

ブルーベリーの果実がぶよぶよになる『マミーベリー』



例年は特定の品種だけで発生するためなんとなく見送りにしてたマミーベリーですが昨年は他品種で大発生し我が家の主力品種であるスパルタンでさえ発生するという惨事でした。放置していると壊滅しかけない状況であったため今年は本腰を入れて対策をしました。

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病原菌の持ち越しを減らす


マミーベリーに限ったことではありませんが病気の汚染の拡大を防ぐ第1歩はシーズンを跨いでの病原菌の持ち越しを減らすことです。昨年の時点で落下している罹病果はこまめに掃除するようにしていたので鉢の中はわりと綺麗に保てたと思うのですがどうしても気付かずに踏んで潰してしまうこともあり、下に敷いてある防草シートの汚染は完全には防げませんでした。特に昨年は広範囲で発症していたため防草シートは諦めて今シーズン始めに全て張り替えました。


使うなら口にしても大丈夫な農薬を


病原菌汚染資材の除去、鉢の間隔をあけて風通しを良くするなど栽培環境改善は大事ですが限界があるので仕上げはやはり薬です。
あまり農薬は使いたくない私ですが理由は面倒臭さ半分、安全性が気になるのが半分です。ブルーベリーの場合皮を剥かずにそのまま食べることになるため収穫期に使った農薬は直接口に入れると考えた方がよさそうです。ですのでブルーベリーに使用する農薬を選ぶ際の基準は最悪飲み込んでも大丈夫かという視点で選んでいます。

マミーベリーは真菌による病気ですので抗真菌作用がありブルーベリーに適応のある薬剤から選ぶことになります。もともと我が家には抗真菌効果があり収穫1週間前まで使用可能なベンレート水和剤と、展着剤としてはダインがありました。この2つでもマミーベリーを抑えることはたぶん出来るのですがこの2種の薬剤を口に出来るかと言えばです。

ベンレート水和剤は製品安全データシートによると急性毒性試験には引っ掛かっていませんので誤って少々飲み込んだくらいでは無症状だと思われます。ですがこの製品の主成分であるベノミルはちょっといわくつきです。もともとアメリカで開発された成分ですが先天性疾患を引き起こしたとして裁判に負け開発元は製造中止したものの日本ではそのまま使われ続けています。さらに上の製品安全データシートではマウスでの発がん性試験で肝臓に腫瘍を形成しています。

昨年はベンレートを使ったマミーベリー対策も記事にしていますが使用したのは果実が形成される前の1回のみ。収穫1週間前まで使用可能と添付文書に書いてあるからといってはいそうですかとその通りに使うのは怖い一品です。展着剤のダインについても思うところはあるのですがそちらについては以前の記事で叩いていますので今回は省略しています。

前置きが長くなりましたが条件として薬本体は①ブルーベリーに適応のある②抗真菌作用を持つ薬で③収穫期に使える(添付文書の使用方法云々ではなく果実にそのまま付着していても問題ない成分かどうか)であること。更にブルーベリーの果実は撥水性が高く展着剤は必須であることから同様に口にしても問題ない成分の展着剤も必要。
①と②までならベンレート&ダインをはじめ他にも候補は挙がるでしょうが最悪飲めるかって言われてYesと言える農薬はほとんどないかと思います。

私が探した中では①~③に当てはまる薬はカリグリーンのみ、展着剤はアビオンEが妥当だと思います。
カリグリーンについては主成分の炭酸水素カリウムが国内では医薬品、海外では食品添加物としての登録があります。特に毒性はないと考えられていることから果皮についたものを口にするという前提での使用も特に問題はないかと思われます。ただしあくまで誤って飲み込んでしまうくらいまでは大丈夫という認識です。原末をアホみたいに食べても大丈夫といっているわけではありませんので・・。カリグリーンの概要は昨年のマミーベリー発生時に紹介しています。アビオンEについては農薬のお供の展着剤の安全性と毒性にて記事にしたのでこれも省略。

昨年のマミーベリーの結末どカリグリーンの効果


記事にするのは初めてですが昨年~今年にかけてカリグリーンの散布をしています。

結論から先に言うと相性抜群です

これはマミーベリーのためにある薬と言っても過言ではないかもしれません。
昨年は果実形成期以前にベンレートを使用するという試みでマミーベリーの防除を試みたのですが結果は悲惨なものでした。散布していなかった樹を中心にマミーベリーが大発生したのです。

マミーベリーの厄介な点は収穫時期の果実に発生することです。病気が発生したと分かったときにはすでに収穫期ですので散布してから収穫するまでの時間が短い。つまり農薬をそのまま口にするようなものであるため成分は吟味したいところです。さらに進行中の病気を止められる効果の高い薬である必要があります。ベンレートはじめ多くの農薬は予防的散布が中心ですがこれらの欠点は病気が発生してからでは効かないこと(が多い)、口にするのは問題があること。

昨年はマミーベリーが猛威をふるい始めて急遽カリグリーン(もちろん展着剤はアビオンEを添加)を散布しました。成分的には問題ないと分かっていたものの実際に使ったことは無かったので効果については半信半疑であったカリグリーン。

その結果は主に3パターンです。

すでに色付いてピンク色の変色部が確認できる果実⇒どうしようもなし。落果するのみ。

肥大しきって着色するだけの果実⇒病変部であったであろう部分が凹んでピンク色のあざは出来ません。味も正常ですので見た目は悪いですが食べられないことはありません。

肥大期の果実⇒無症状



今年のカリグリーン散布の結果


カリグリーンは発病初期の散布が効果的とありますが昨年の使用感からみるにそれだと治ったとしても変形果が多発するためやや遅い気がします。ですのであらかじめ発生すると想定される樹には予防的散布としてもカリグリーンを使ってみることにしました。

昨年ベンレートを使ったときは果実には散布したくなかったので花芽の段階で使用しましたがカリグリーンは成分の特性上それでは効果はないと思われます。

ですので今年は昨年マミーベリーを発症した樹とその一帯にあった樹にはベンレートは使わず果実が小豆大の頃にカリグリーンを使ってみました。その結果・・

プル以外は99%防除可能

散布回数としてはわずかに1回だけでしたがスパルタン、オーゼキブルー、ブルーレイ、スージー、エリザベスなど昨年の発症品種でほぼ完璧にマミーベリーの発症を押さえ込みました。散発的に発生もみられたもののカリグリーンは果実に直接浸透して効果を発揮するタイプなので散布漏れがあったせいかもしれません。昨年は落果した罹病果の掃除でうんざりしていたのでこの結果は大満足です。

例外なのがプル。そういえば昨年のベンレート散布でもハンナチョイスあたりは発症を抑えられたのにプルは全く効果なかったです。こいつは本当にマミーベリーが持病なのかっていう位に頑固にマミーベリーを発症します。特徴が無ければ即刻処分したいくらいなのですが・・豊産性だし完熟果の果実品質はかなり高いしで病気以外の評価は高いんですね~。ただこのプルに対してもカリグリーンは無効なわけではなく発症を確認してからもう一度散布すると以降の発生は抑えられました。ですので来年はプルだけは複数回散布で初期発生も防ぐのが目標です。

結論(現時点で)・・カリグリーンは予防的散布も治療的使用も可能。予防的に使う場合には果実の肥大期がベスト、マミーベリー感受性品種には複数回散布が望ましいかも。

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posted by suiyaki at 12:05| ブルーベリーの病気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする